木と家

ハウスメーカーの設計士は無能

家を新築したときの話です。同居する父は一級建築士ですので、最初から最後まで細かいところをチェックしていました。特に基礎工事にはうるさく、毎日工事の状態を確認しておりました。たいていのクライアントは、現場の職人とはなかなか意思疎通ができず、だから営業はその間に入って取り次ぐのが仕事のようですが、我が家の場合、父の意見は現場の職人には無条件で通じ、しかし営業の青年には,ちんぷんかんぷんだったようです。現場監督は一級建築士ですが、経験はまだ浅く,やはり父の要求がなかなか理解できません。印象的だったのは、おおよそ家が仕上がってきたとき、外構の打ち合わせの時に、若い現場監督と、現場の年配の親方と、外構担当の親方と父と設計士がそろったときのこと。父は,外構を作る時、水はけのために傾斜をつけてほしかったそうで、その説明を始めました。身振りを入れながら,一言二言発すると、現場の親方と外構の親方はすぐに頷いて、「では、これは、これは」とまるで暗号のように一言二言返し、それにまた父が別の場所を示しながら,一言二言答える。正直、そばで聞いていても私には全く意味不明の,暗号のような会話でしたが、実は現場監督にもそうだったようで、必死で彼らの後をついて回り、聞き耳を立てておりました。しかし設計士に至っては,(若い女性でしたが)もう後からついて歩くことすらせず、聞こうとすらしていませんでした。実は彼女が設計には不備があって,父はそれを是正するために色々言っていたのです。でも彼女には全く理解できていなかったようです。涼しい顔をしていました。
 外構の親方が上手に補正してくれて、できあがった家はほぼ父の希望通りでした。しかし内装に関しては、まだ問題が残っていました。
 一つは物置の棚の高さ。下に入れるファンシーケースに合わせて高さを指定したい旨を伝えて、ファンシーケースの高さを伝えてありました。ちょうどその高さに棚の上面が来ていました。棚には厚みがありますから、当然その分棚下のスペースは小さくなり、ファンシーケースは入りません。現場の親方に言ったところ、「そうだよねえ、おかしいと思ったんだ」と一言。「こういう切りのいい寸法って言うのは,たいてい下に何かケースを入れるためなんだけど、でもこの位置に棚が来ると,入らなくなるなあ、と思ったんだよ。でも設計こうなってるし」その棚は,壁紙を内側にすっかり貼ってあって、その上から棚を固定してあるので、1度棚を外すと壁紙に傷が残ります。壁紙は一部をはがすことができないので,全部はがして直すことになります。手間が大変です。現場監督はそれでも全部直すと言いましたが、親方と職人は、「傷が見えないように板つけましょう。そうすればあとで棚を外すことができるようになるから」とファンシーケースの大きさに合わせて,案配よく作ってくれました。大仕事にならない方が良かったので,私もそれで満足しました。やっぱり経験に勝るものはないようです。
 この家にはLAN環境が家中に張り巡らされているのですが、その集積場所にはモデムとハブを入れるボックスがあります。ところがそこを開けてみると中にあるのはハブだけでした。全部で8カ所のLANの接続口があるので,8台までパソコンが使えるのですが、こうするためにはルーターが必要です。でも用意してくれるはずのルーターがないのです。どうしてないのかと設計士に聞いたところ「ハブしかないと言いましたよね」と答え。「ええ聞きましたよ、設計の時に」と私。「でもハブだけあってもだめだからルーター用意してくれと言いましたよね。」と私。「はい、そうですけど」と設計士。「だからハブがあるんですけど」と設計士。
 私はこのLAN構築の相談の時、ルーターとハブの区別のつかない彼女に、かなり時間を掛けて説明したのです。だいたいLAN環境を作る提案したのはメーカー側です。だったらせめて、通信の基礎ぐらい自分で学んでほしいと思いました。いや、普通言われなくても学ぶでしょ。設計士なら。この期に及んで、開き直られても困ります。横で聞いていた現場監督が慌てて、「あす、専門スタッフよこします」と言いまして、本来有料の設定など全て無償でやってもらうことになりました。結局専門家の人は、うちにあった古いルーターを流用して上手に作ってくれたので、お金はかかりませんでした。
 最後に,この設計士の話で強烈だったのは、ベランダにつける物干し竿の取り付けフックの話です。高さを決めなければならないので、「やっぱり竿はぞうきんで拭くから,このくらいの高さかなあ」などと口走ったところ、「拭くんですか?」と彼女。その場にいた主人と営業の青年と私が一斉に「拭くだろう!」って言ってしまって,まるでコメディーのようでした。ちなみに、彼女は既に結婚していますが、洗濯物を干すときに竿は拭かないと言ってました。


オフィスのチェアを新調するならオフィスチェア通販サイトの「エンジョイホーム」を活用しましょう!